2026.1.13

【設備メンテ】SV-503のNCアンプファンモーター交換

【設備メンテ】SV-503のNCアンプファンモーター交換
先日、マシニングセンタ「SV-503」の段取り作業中に、突然機械が停止してしまいました。 画面には「インバータ内部冷却ファン停止」のアラーム表示が。

すぐにDMG MORIへ連絡し、FANUCのサポートに繋いでもらって原因を確認したところ、「NCアンプ内部の冷却ファンモーターが停止している」ことが判明しました。

通常であればメーカーサービスに依頼して修理に来ていただく内容ですが、今回は交換作業自体は社内で対応可能と判断。 パーツのみを取り寄せ、自分たちの手で交換作業を行うことにしました。
SV-503アラーム発生画面

【交換作業の流れ】

1. 電源OFF・安全確認 
まず主電源を切り、残留電圧がないことを十分に確認してから、アンプユニットを取り外します。

問題のアンプユニットです。カバーを外して中のファンモーターが見えるようにしていきます。

2. アンプユニットカバーの分解 
内部の埃や配線の取り回しを確認しながら、カバーを外していきます。 特に難しい工程ではありませんが、経年劣化で樹脂部分が少し硬くなっていました。慎重に作業を進めます。

カバーを外して、中のファンモーターが見えるようにしていきます

カバーの内部は、切削油のミストの影響で少しベトつきがありました。 せっかく分解したので、新しい部品を入れる前にきれいに洗浄・清掃を行います。 機械を長く使うためには、こうした見えない部分のケアも大切です。

カバーも油のミストのせいで少しベトベトします。せっかくなので洗っていきます。

3. ファンモーター交換 
新しいファンモーターを取り付け、配線を復旧します。 取り付け方向やコネクタの接続に間違いがないか、慎重に確認します。

手に持っているのが新品。右側が動かなくなったモーターです

4. 動作確認…そして新たなアラーム発生 
配線を復旧し、電源を再投入します。 ファンモーターのアラームが消えたことを確認し「これで完了!」と思った矢先、アンプを取り外した関係で新たなアラームが発生しました。

配線を復旧しあとは電源を再投入します。

「300 APCアラーム:軸 原点復帰要求[X][Y]」

APCアラーム発生画面です。

バッテリーを外したわけではありませんが、アンプ脱着に伴いアブソリュート位置(絶対位置)の情報がリセットされてしまったようです。 しかし、これも想定内。再度手順を追って復旧していきます

【原点復帰手順(グリッドシフト量の確認)】

以下の手順で各軸を原点復帰させました。

1.まずハンドル操作で原点マークに近づけます。そこからマイナス(-)方向に100mm以上軸を移動させます。

2.NCパラメータ1821番(グリッドシフト量)の数値を確認します。 今回は「80000」という数値が入っていました。設定単位は0.1[μm]換算なので、これは「8mm」を意味します。

3.再びハンドル操作で、原点マークから「8mm以内」に来るように軸を寄せていきます。

4.8mm以内の位置に来たら「原点復帰モード」に切り替え、軸を原点復帰させます。

5.アラーム消去を確認し、通常運転へ。

まとめ:機械を知ることは、品質を知ること

今回のようなファンモーター交換作業も、正しい知識と手順を理解していれば、安全かつ確実に行うことができます。

設備の構造や制御の仕組み(パラメータなど)を知っていることで、トラブル発生時の判断が早くなり、復旧をスムーズに進めることができます。結果として、納期の遅れを防ぐことにも繋がります。

ものづくりの現場では、加工技術を磨くことはもちろんですが、「設備そのものへの理解」も同じくらい大切です。 機械の状態を自分で把握し、必要な対応を考えられること。それが、西山工機の安定した生産と信頼につながっていくと考えています。

専務取締役 西山尭伯